さく井・ボーリング事業

誰もが安全な水を利用できることは、SDGsに掲げられる重要な課題です。当社は、地下水を利用するための井戸開発を行っています。開発する井戸の規模や用途は、ソニックドリル(高速掘削機)を利用した小口径のものから、温泉源泉に利用される大口径・大深度の井戸まで、多岐にわたります。また、水の資源としてだけでなく、再生可能エネルギー熱である地中熱を得る地中熱交換井(採熱孔、ボアホール)の掘削・設置も行なっています。

水源・温泉源開発

地下水は、水質変化や温度変化がほとんどなく、質の良い水が安定して得られることから、飲料水、農業用水、工業用水として利用されてきました。近年では、道路消融雪揚水、都市用冷暖房揚水等にも幅広く利用されています。
当社は地下水を有効に利活用することができる水源開発を通じて、地域のみなさまの暮らしを支えてまいります。また温泉の調査から掘削、そして温泉施設の維持管理まで総合的なコンサルタント業務を行っています。

●農業用水源として利用

水質のよい安定した地下水を供給し、農業生産を進めます。

●防災用水源として利用

災害時に停電になっても揚水可能な手押しポンプによる防災用水源です。

●井戸の維持管理

井戸カメラによって井戸孔内を正確に診断するとともに、定期的な水中モーターポンプのメンテナンスを行い、井戸の安定利用をはかります。

温泉源泉のような大深度や、大量の地下水を汲み上げる大口径井戸ではボーリングタワーを設けてのロータリー工法による掘削を行います。一般家庭向けや地質・地盤調査用の小口径井戸では、特殊振動工法で高速掘削が可能なソニックドリルを採用して掘削を行ないます。

●ボーリングタワーの設置状況

●ボーリングタワー内部

●SD175E

●ご家庭の玄関前でも掘削可能(最小間口3mで大丈夫)

井戸を掘削するだけでなく、水中カメラを利用した井戸の孔内調査や洗浄、地下水揚水ポンプのメンテナンスを行ない、井戸の安定利用を図ります。

●井戸カメラを井戸孔内へ降下、診断中

●土壌ガス分析(分析室内)

地中熱とは

「地中熱」は地下10~数百メートル、10~20℃程度の比較的低温の熱を指し、主に太陽エネルギーに由来します。地中熱はその温度帯から発電には適しませんが、年間を通じて一定である特徴を活かし、主に冷暖房や冬期の融雪等に用いられています。

地中熱の利用にはいくつかの方法があり、代表的なものは次の2つです。

クローズドループ方式

地中の熱だけを利用するため、場所を問わず設置場所にかかわらず使用することができます。

オープンループ方式

「地下水熱利用」とも呼ばれ、日本地下水開発が得意とする方法です。地中から地下水をくみ上げ、その熱をそのまま利用し、融雪や空調等に使用します。熱利用した後の地下水は再度地中に戻すことで、地下水の枯渇や地盤沈下等を防ぐことができます。また、地下水を直接利用するため、熱交換の効率はクローズドループと比較して非常に高く、井戸(ボアホール)の掘削本数を抑えられるため、初期コストの削減にもつながります。

本地下水開発は、施工場所の様々な特性を考慮して、最適な地中熱利用システムを提案。熱源となる井戸/般家庭向けや地質・地盤調査用の小口径井戸では、地中熱交換井の計画から施工まで対応致します。

当社が古くから取り組んできた地下水還元式無散水融雪は、最もシンプルオープンループ方式の一つですが、冬期間にのみ利用するシステムです。地下水の持つ低熱エネルギーを年間を通じて効果的にシステムに利用するため、特に帯水層蓄熱(ATES)に着目し研究開発を進めています。

  • 行政向け
  • 企業向け
  • 冷暖房

帯水層蓄熱ATES( Aquifer Thermal Energy Storage )

地下水を熱エネルギーとして地下に広がる帯水層に蓄熱して、建物の冷暖房を効率的に行う技術です。