地下水を汲み上げて、その熱エネルギーを利用する方式をオープンループ方式と呼びます。中でも、熱利用後の地下水を帯水層に還元することで帯水層に排熱を一時的に蓄熱し、後に利用するシステムが帯水層蓄熱システムです。夏期冷房時に排出される温熱を冬期暖房に向けて、冬期暖房時に排出される冷熱を夏期冷房に向けて蓄えることで、通常のオープンループ方式に比べて高い効率でシステムを運用することが可能となります。二酸化炭素(CO2)排出量削減効果や省エネ効果が高く、大気中に熱を放出しないことからヒートアイランド抑制にも大きな効果があります。
日本は地層構成が複雑なため、欧州などに比べてボーリング費用がやや高額になりがちです。このためランニングコストを抑えることが帯水層蓄熱の普及に繋がると考えました。そこでこれまで当社が培ってきた無散水融雪施設と連携させた高効率帯水層蓄熱システムを開発。蓄熱量の大幅な増強が実現し、システムの運転効率を向上させることに成功しました。
直前の冬期暖房で生じた冷熱を帯水層に蓄え、冷房利用するシステムです。揚水した地下水は、冷房の熱源として利用されて温度が上昇します。その後、駐車場に埋設したパイプへ送り、路面が吸収した太陽光の熱を集熱させます。太陽光によって地下水は更に高温になり、帯水層への注入温熱量が増すため、続く冬期暖房は高効率になります。
※CO2排出係数は、経済産業省、環境省公表(平成30年12月)の「電気事業者別排出係数」の東北電力(株) (0.521kg-CO2/kWh)で計算しています。※電力量料金は東北電力(株)の高圧受電業務用電源契約(令和元年5月時)から計算しています。
直前の夏期冷房で生じた温熱を帯水層に蓄え、暖房利用するシステムです。揚水した地下水は、暖房の熱源として利用されて温度が低下します。その後、駐車場に埋設したパイプへ送り、路面の無散水消雪に必要な熱を放熱させます。消雪によって地下水は更に低温になり、帯水層への注入冷熱量が増すため、続く夏期冷房は高効率になります。
※CO2排出係数は、経済産業省、環境省公表(平成30年12月)の「電気事業者別排出係数」の東北電力(株)(0.521kg-CO2/kWh)で計算しています。※電力量料金は、東北電力(株)の高圧受電業務用電源契約(令和元年5月時)、重油価格は資源エネルギー庁の石油価格調査の東北地方小型ローリー納入価格(平成30年12月時)から計算しています。
インバーター制御による揚水量制御と密閉式井戸の導入により、継続的な地下水100%注入を可能とします。
地下水と冷媒の直接熱交換を可能とするヒートポンプを導入することで、熱交換の回路を1つ削減でき、設備減によるイニシャルコスト面でのメリットと、熱交換の効率向上によるランニングコスト面でのメリットを両立しています。
ビット先端に特殊振動と回転を与え、従来のロータリー方式よりもさらに高速な掘削を可能にした、最新鋭のボーリングマシンです。
東北再生可能エネルギー利活用大賞 最優秀賞
令和2年度 気候変動アクション
環境大臣表彰受賞
帯水層蓄熱システムのコストメリットを伸ばすには、1組の熱源井戸(温熱井・冷熱井)で如何に多くの熱需要を賄えるかが重要です。現在、新たな取り組みとして複数の建築物に対して熱供給を行う仕組みについて研究開発に着手しています。規模や用途の違う建築物間では、熱需要の必要量や集中する時間帯も異なります。各々の熱需要に安定的に供給を行なえるかの研究を進め、面的な熱供給システムの熱源として帯水層蓄熱が資することを検証します。
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